6/27(土)夜、シェアハウス「浅草橋ブレッドボード」にて、食べ比べをテーマにした会、おいしいもの味覚鑑賞会を開催しました。今回で24回目の開催になります。参加してくださった皆さま、どうもありがとうございました。
会を主催している永木三月です。
今回のテーマは「国産チーズ」です。先日行われたチーズの世界大会「モンディアル・フロマージュ」で最高金賞を獲得した『アトリエ・ド・フロマージュ』のブルーチーズを始め、全7(+1)品を揃えました。選りすぐりのチーズのレビューを、会の模様と合わせてお届けします。
〈目次〉 (★=格別美味、◯=次点。)
★5.『清水牧場』バッカス(長野)
当日は、18時から鑑賞会を開始しました。
この記事は、会で実際に頂いたものを、レビュー形式でまとめたものになります。
評価はお勧め度の特に高いものを「★」で、次点を「◯」で印をつけています。ここでの評価は、永木三月個人の責任でつけております。以上の点をご了承ください。
レビュー
0.『雪印乳業』6Pチーズ
まず最初は雪印の6Pチーズ。
分類としてはナチュラルチーズではなく、プロセスチーズ。
プロセスチーズとは、ナチュラルチーズを加熱して溶かし、再度成型することで作るチーズのことです。加熱しているため菌による熟成が止まっています。チーズ独特の匂いがしないのはそのためです。
食感はねっちょりとしていて、牛乳の甘みや、熟成香は感じられません。今回の会では食べていませんが、クラフトや明治のプロセスチーズなどと比べても、雪印のチーズはしょっぱさ以外の風味が残らず、味気なさが目立ちます。
◯1.『CHEESE STAND』出来立てモッツァレラ(東京)
ナチュラルチーズ一品目は、『CHEESE STAND』のモッツァレラチーズ。こちらのチーズ工房は渋谷にあり、都内から仕入れた新鮮な牛乳で作るチーズで、話題のお店です。
今回頂いたのは、看板商品の1つであるモッツァレラチーズ。もちもちとしたスポンジ状の食感から、レモンのような爽やかな酸味の利いたジュースが沁み出てきます。活き活きとした味わいが魅力のチーズです。
まず最初は雪印の6Pチーズ。
分類としてはナチュラルチーズではなく、プロセスチーズ。
プロセスチーズとは、ナチュラルチーズを加熱して溶かし、再度成型することで作るチーズのことです。加熱しているため菌による熟成が止まっています。チーズ独特の匂いがしないのはそのためです。
食感はねっちょりとしていて、牛乳の甘みや、熟成香は感じられません。今回の会では食べていませんが、クラフトや明治のプロセスチーズなどと比べても、雪印のチーズはしょっぱさ以外の風味が残らず、味気なさが目立ちます。
◯1.『CHEESE STAND』出来立てモッツァレラ(東京)
ナチュラルチーズ一品目は、『CHEESE STAND』のモッツァレラチーズ。こちらのチーズ工房は渋谷にあり、都内から仕入れた新鮮な牛乳で作るチーズで、話題のお店です。
今回頂いたのは、看板商品の1つであるモッツァレラチーズ。もちもちとしたスポンジ状の食感から、レモンのような爽やかな酸味の利いたジュースが沁み出てきます。活き活きとした味わいが魅力のチーズです。
★2.『清水牧場』プティニュアージュ(長野)
ナチュラルチーズ二品目は、長野『清水牧場』のプティニュアージュ。こちらの牧場に関しては、以前の鑑賞会でヨーグルトを頂いて、その素晴らしさに感銘を受けています。
チーズの質感は非常にもろく、取り分けるのも大変なほどです。チーズらしさはあまりなく、牛乳を直接口にするのに近い味わいです。甘みがじんわりと広がって行く繊細な味わいで、素材のクオリティの高さが感じられます。
ナチュラルチーズ二品目は、長野『清水牧場』のプティニュアージュ。こちらの牧場に関しては、以前の鑑賞会でヨーグルトを頂いて、その素晴らしさに感銘を受けています。
チーズの質感は非常にもろく、取り分けるのも大変なほどです。チーズらしさはあまりなく、牛乳を直接口にするのに近い味わいです。甘みがじんわりと広がって行く繊細な味わいで、素材のクオリティの高さが感じられます。
◯3.『三良坂フロマージュ』フロマージュ・ド・みらさか(広島)
三品目からは、熟成タイプのチーズになります。こちらは、広島の『三良坂フロマージュ』で作られている「フロマージュ・ド・みらさか」。カマンベールのような、白カビタイプのチーズです。
一目見て特徴的なのは、柏の葉に包まれていること。葉の甘い香りと発酵感が相まって、柿の葉寿司のような和の食品を連想させます。食べている最中にはこうした香りの主張はそれほど強くありません。もっちりとした食感には整いがあり、味の展開は綺麗で、1本筋が通った印象を受けます。熟成がそれほど進んでいないので、塩気が一歩引いたマイルドな味わいです。
三品目からは、熟成タイプのチーズになります。こちらは、広島の『三良坂フロマージュ』で作られている「フロマージュ・ド・みらさか」。カマンベールのような、白カビタイプのチーズです。
一目見て特徴的なのは、柏の葉に包まれていること。葉の甘い香りと発酵感が相まって、柿の葉寿司のような和の食品を連想させます。食べている最中にはこうした香りの主張はそれほど強くありません。もっちりとした食感には整いがあり、味の展開は綺麗で、1本筋が通った印象を受けます。熟成がそれほど進んでいないので、塩気が一歩引いたマイルドな味わいです。
4.『小栗牧場』ウメ(北海道)
四品目は、北海道『小栗牧場』のウメ。梅酒を使った珍しいウォッシュドチーズです。ちなみにウォッシュドチーズとは、チーズの表面に塩水やお酒などを塗る事で、特定の菌を繁殖させ、独特の香りをつけたチーズのことです。ヨーロッパで中世から行われてきた方法だと言います。
この「ウメ」は、表面の香りに漬け物にした大根のような、やや枯れた独特の発酵臭が感じられます。
味わいとしては、梅酒の甘酸っぱい香りは仄かに香る程度。食感は3品目の三良坂フロマージュのものと近い、もちっとしたものですが、粘りはこちらの方が少ないです。
塩気が味全体から少し浮いて感じられるため、局所的な塩気のきつさがあり、クオリティとしては他より少し落ちる印象でした。
四品目は、北海道『小栗牧場』のウメ。梅酒を使った珍しいウォッシュドチーズです。ちなみにウォッシュドチーズとは、チーズの表面に塩水やお酒などを塗る事で、特定の菌を繁殖させ、独特の香りをつけたチーズのことです。ヨーロッパで中世から行われてきた方法だと言います。
この「ウメ」は、表面の香りに漬け物にした大根のような、やや枯れた独特の発酵臭が感じられます。
味わいとしては、梅酒の甘酸っぱい香りは仄かに香る程度。食感は3品目の三良坂フロマージュのものと近い、もちっとしたものですが、粘りはこちらの方が少ないです。
塩気が味全体から少し浮いて感じられるため、局所的な塩気のきつさがあり、クオリティとしては他より少し落ちる印象でした。
★5.『清水牧場』バッカス(長野)
5品目は、2品目と同じく『清水牧場』のバッカス。プティニュアージュとは異なり、こちらは10ヶ月熟成させたチーズです。
表面の香りは「濡れた雑巾」という比喩が会の中で出たほど、独特なものです。味わいは、イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノに近く、香りに比べれば大分おとなしいですが、熟成感はあり、奥行きも感じられます。
5品目は、2品目と同じく『清水牧場』のバッカス。プティニュアージュとは異なり、こちらは10ヶ月熟成させたチーズです。
表面の香りは「濡れた雑巾」という比喩が会の中で出たほど、独特なものです。味わいは、イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノに近く、香りに比べれば大分おとなしいですが、熟成感はあり、奥行きも感じられます。
◯6.『さらべつチーズ工房』気まぐれブルー(北海道)
6品目は、北海道『さらべつチーズ工房』の気まぐれブルー。大根農家の方が作っているという変わったブルーチーズです。
かなりマイルドなブルーチーズで、ややねっとりとした食感。牛乳の味わいも比較的クリアに感じられ、塩気は時折キレよく感じられます。
6品目は、北海道『さらべつチーズ工房』の気まぐれブルー。大根農家の方が作っているという変わったブルーチーズです。
かなりマイルドなブルーチーズで、ややねっとりとした食感。牛乳の味わいも比較的クリアに感じられ、塩気は時折キレよく感じられます。
★7.『アトリエ・ド・フロマージュ』 ブルーチーズ(長野)
最後は、長野『アトリエ・ド・フロマージュ』のブルーチーズ。先日開催されたチーズの世界大会『モンディアル・フロマージュ』で最高金賞を受賞した他、日本の大会でグランプリを受賞した経歴もあります。フランスへの留学を経て、かなり研究を重ねた末に出来上がったものだそうです。
乳脂肪分が多めなのか、口当たりはかなりリッチです。一本芯の通った味わいで、品もありますが、ブルーチーズとしては「気まぐれブルー」同様マイルド。完成度は今回の中ではかなり高い方でしょう。
チーズを常食してきた文化は世界に数多くありますが、日本はその歴史が浅く、日本人がチーズを普通に食べるようになったのは1970年代からだそうです。
厳密には、奈良時代から平安時代に上流階級の人々が食べていた記録があるのですが、鎌倉時代以降はその文化も途絶え、再度日本人がチーズを口にするのは江戸時代になります。
以前開催したチーズ鑑賞会(第)の際は、 イギリスやフランスなどヨーロッパのチーズが中心だったのですが、今回食べた国産チーズはそれに比べてかなり大人しい印象を受けました。
もちろんフレッシュタイプのチーズを始め、素材の深みを感じさせる物はありましたが、味わいの複雑さや強さを持つものは少なく、味の幅をあまり感じませんでした。これは、日本の地ビール鑑賞会で感じたことにも似ています。
ただ、プロセスチーズの無味乾燥な味わいを考えたとき、日本にも本物のチーズがあること、そしてそれが世界でも高く評価され始めていることは、とても喜ばしい事だと思います。
素材の味わいには、深い説得力があると私はよく思っているのですが、今回食べた本物のチーズにもそれを感じさせるものが数多くありました。普段チーズを食べない方にも、ぜひ味わってもらいたいと思います。
今回頂いたチーズの多くは、それぞれの牧場のオンラインショップで購入しました。百貨店のチーズ専門店などを見ましたが、国産のチーズは非常に数が限られています。
『小栗ファーム』 の「ウメ」、『三良坂フロマージュ』 の「フロマージュ・ド・三良坂」の2品は、愛宕のチーズ専門店『フェルミエ』で購入しました。常時200種類のチーズを揃えているというショップで、カットして販売しているチーズは試食もできます。イートインもやっているようです。
非常に良いチーズショップですので、興味のある方はぜひ。
「おいしいもの味覚鑑賞会」は月に一度開催しています。 これを見て興味をもった方、今回は都合が合わなかった方、普段から食べるのが好きな方、いつもはコンビニで済ませてしまう方、どんな方でも大歓迎です。おいしいものを食べて、一緒に語らってみませんか? 最後は、長野『アトリエ・ド・フロマージュ』のブルーチーズ。先日開催されたチーズの世界大会『モンディアル・フロマージュ』で最高金賞を受賞した他、日本の大会でグランプリを受賞した経歴もあります。フランスへの留学を経て、かなり研究を重ねた末に出来上がったものだそうです。
乳脂肪分が多めなのか、口当たりはかなりリッチです。一本芯の通った味わいで、品もありますが、ブルーチーズとしては「気まぐれブルー」同様マイルド。完成度は今回の中ではかなり高い方でしょう。
最後に 〜世界のチーズと日本のチーズ〜
チーズを常食してきた文化は世界に数多くありますが、日本はその歴史が浅く、日本人がチーズを普通に食べるようになったのは1970年代からだそうです。
厳密には、奈良時代から平安時代に上流階級の人々が食べていた記録があるのですが、鎌倉時代以降はその文化も途絶え、再度日本人がチーズを口にするのは江戸時代になります。
以前開催したチーズ鑑賞会(第)の際は、 イギリスやフランスなどヨーロッパのチーズが中心だったのですが、今回食べた国産チーズはそれに比べてかなり大人しい印象を受けました。
もちろんフレッシュタイプのチーズを始め、素材の深みを感じさせる物はありましたが、味わいの複雑さや強さを持つものは少なく、味の幅をあまり感じませんでした。これは、日本の地ビール鑑賞会で感じたことにも似ています。
ただ、プロセスチーズの無味乾燥な味わいを考えたとき、日本にも本物のチーズがあること、そしてそれが世界でも高く評価され始めていることは、とても喜ばしい事だと思います。
素材の味わいには、深い説得力があると私はよく思っているのですが、今回食べた本物のチーズにもそれを感じさせるものが数多くありました。普段チーズを食べない方にも、ぜひ味わってもらいたいと思います。
おいしいチーズはどこで買えるの?
今回頂いたチーズの多くは、それぞれの牧場のオンラインショップで購入しました。百貨店のチーズ専門店などを見ましたが、国産のチーズは非常に数が限られています。
『小栗ファーム』 の「ウメ」、『三良坂フロマージュ』 の「フロマージュ・ド・三良坂」の2品は、愛宕のチーズ専門店『フェルミエ』で購入しました。常時200種類のチーズを揃えているというショップで、カットして販売しているチーズは試食もできます。イートインもやっているようです。
非常に良いチーズショップですので、興味のある方はぜひ。
次回の予定
このサイトでは、美味しいレシピ、お店の紹介や食べ比べの実践など、「テイスティング」をテーマに記事をお届けしています。そちらもよろしければ見ていってください。それではまた!
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