会を主催している永木三月です。
今回のテーマは「納豆」です。茨城や東北を中心に日本の美味しい納豆を揃えました。選りすぐりの8種の納豆のレビューを、会の模様と合わせてお届けします。
〈目次〉 (★=格別美味、◯=次点。)
★4. 総本舗水戸納豆「雪あかり」
◯5. 天狗納豆「すずまる納豆」
★6. 下仁田納豆「妙義山」
7. 丸真食品「青仁一粒」
★8. 高野山大福寺「大福寺納豆」
当日は、18時から鑑賞会を開始しました。
この記事は、会で実際に頂いたものを、レビュー形式でまとめたものになります。
評価はお勧め度の特に高いものを「★」で、次点を「◯」で印をつけています。ここでの評価は、永木三月個人の責任でつけております。以上の点をご了承ください。
レビュー
1. タカノフーズ「おかめ納豆 極小粒」(1パック25円)
一品目は、日本で一番有名な納豆「おかめ納豆」。茨城発のメーカーで、地元はもちろん、全国でトップのシェアを誇る納豆です。日本の標準を知るべく一品目に用意しました。
香り、味含め、明確な主張のない味です。小粒なのもあって、豆の食感もややつぶれがち。適度な甘みと苦みがあり、粗悪な品ではありません。
2. ミツカン「金のつぶ ほね元気」(1パック25円)
二品目は、ミツカン「金のつぶ ほね元気」。
ミツカンと言えば、お酢のメーカーとして有名です。納豆業界に参入したのは1998年のことだそうです。 現在では、おかめ納豆と並んで知名度の高い納豆だと言えるでしょう。
味の印象は、食感のみ。粒の形を感じる歯ごたえだけがあります。おかめ納豆も主張はありませんでしたが、こちらはそれ以上です。豆の味がせず、外皮だけを食べているような薄い味わいです。
「金のつぶ」のサイトを見てみると、使いやすいタレや、におわない納豆など、様々な路線を打ち出しているのがわかります。わかりやすい差別化戦略の結果、敢えて味を落としているのだとすれば、残念なことです。
納豆の全国大会「全国納豆鑑評会」で会長賞を受賞した一品でもあります。
この納豆の特徴は糸。ぷつりと切れる食感が口の中で感じられる糸です。また、混ぜることで粘りが強くなり、芯の通った太い味わいに変化します。
見てわかるように粒立ちも綺麗で、表面はつややかです。
普段食べているものをちょうど一段グレードアップしたような納豆で、味わいの端々にこれぞ本物という感触があります。
★4. 総本舗水戸納豆「雪あかり」(1パック267円 おかめ納豆10.5パック分)
四品目は、総本舗水戸納豆の「雪あかり」。以前このブログでも紹介した事がある、白い納豆です。ミヤギシロメという大粒の大豆を使っており、こちらも「全国納豆鑑評会」での受賞歴があります。
見た目からわかるのは、非常に大粒で白い豆と、細く繊細な糸です。
やや豆の青さを感じさせる香りと、ふっくらと柔らかな食感が特徴的。納豆としては他に類を見ない、均整のとれた味わいです。濃密な豆の味わいを、じっくり味わいたい一品。
見た目からわかるのは、非常に大粒で白い豆と、細く繊細な糸です。
やや豆の青さを感じさせる香りと、ふっくらと柔らかな食感が特徴的。納豆としては他に類を見ない、均整のとれた味わいです。濃密な豆の味わいを、じっくり味わいたい一品。
◯5. 天狗納豆「すずまる納豆」(1パック280円 おかめ納豆11パック分)
五品目は、茨城の天狗納豆が出している「すずまる納豆」。
すずまるは、北海道産の小粒大豆だそうで、納豆に非常に向いた品種なんだそうです。
藁に包まれているため、豆にもその匂いがかなり移っていて、非常に香しいです。ちまきを食べる時の笹の香りに少し似ています。
豆がカラカラに乾いているのも他にはない特徴です。ものによっては、噛むとガリッと音を立てるほどで、非常にドライな納豆です。全体としては、ごつごつと無骨な味わいですが、納豆本来の深みは感じられます。
★6. 下仁田納豆「妙義山」(1パック150円 おかめ納豆6パック分)
六品目は群馬の下仁田納豆が出す「妙義山」。
下仁田納豆は、昭和38年創業と比較的若い会社ですが、妙義山という名前通り、群馬県産の大豆を使って作られた一品。
やや潤いのある豆は、瑞々しくエネルギッシュな味わいです。粒立ちの良さとウェットな食感とで、がちゃがちゃと賑やかすぎるような印象もあります。「雪あかり」とは好対照な味わいで、あちらが人工的な味の整いを狙っているのに対し、こちらは野性味に根ざした味作りが際立っています。
7. 舟納豆「青仁一粒」(1パック486円 おかめ納豆19.5個分)
7品目は、 茨城の丸真食品が出す「青仁一粒」です。
うぐいすきな粉に使われる「青仁青豆」を使っているそうで、ほんのり黒ずんだ見た目と、大粒な豆が特徴的です。
香りは華やかで強く、他と食らべても際立っています。 味わいは、濃厚な苦み一辺倒でやや下品です。
他のトッピング、例えば濃口醤油を合わせてみると味のバランスがとれます。おそらく豆自体は美味しいものでしょう。製品としての完成度の点で、もう一歩と評価します。
★8. 高野山大福寺「大福寺納豆」(700円 おかめ納豆28パック分)
非常に塩辛く、生ハム、チーズ、豆豉など、様々な珍味を思わせる味がします。伝統に根ざした深みが感じられ、お酒のつまみにぴったりな一品です。
最後に:納豆テイスティング指南
納豆をじっくり味わった経験を持つ人は少ないでしょう。 ぱっと手に入る納豆は「おかめ納豆」や「金のつぶ」といった、あまり美味しくないものですし、味付けも非常に濃いです。おいしい納豆が手に入ったら、まずは粒の形を見て、匂いを嗅いでみてください。 お酒やチーズほどの違いは感じづらいですが、少し醤油を思わせる香りがしたり、熟成した茶葉のような香りがしたり、案外バリエーションがあります。
会では、「足の裏の匂い」という表現も飛び出しましたが、そういうネガティブな表現を使ってみるのも面白いと思います。
納豆を語るのに欠かせない糸も、ねっとりと水分を含んでいるものから、細い糸が豆にまとわっているだけのものまで、様々です。
ちなみに糸の味わいで最も印象に残っているのは、グリーンパール納豆の「伊達藩 永太郎納豆」です。レビューでも書きましたが、ぷつんと切れるような食感があり、かき混ぜると若干のコシを感じるほどの食感になります。下仁田納豆と並んで、ご飯に乗せて食べたい納豆の1つです。
おいしい納豆はどこで買えるの?
今回購入した納豆は、銀座一丁目『茨城マルシェ』、秋葉原『ちゃばら』などで入手しました。どちらも地方の物産を集めたセレクトショップです。特に『茨城マルシェ』は、水戸の納豆が数多く揃っているので、オススメです。
ちなみに「伊達藩 永太郎納豆」と「すずまる納豆」は、ネットを利用して取り寄せています。ブームが過ぎ去ったのか、おいしい納豆はあまり店頭で販売されていません。
通販では買えるものも多いので、今回紹介した中で気になったものがあれば、ぜひ試してみてください!
次回の予定
「おいしいもの味覚鑑賞会」は月に一度開催しています。 これを見て興味をもった方、今回は都合が合わなかった方、普段から食べるのが好きな方、いつもはコンビニで済ませてしまう方、どんな方でも大歓迎です。おいしいものを食べて、一緒に語らってみませんか?このサイトでは、美味しいレシピ、お店の紹介や食べ比べの実践など、「テイスティング」をテーマに記事をお届けしています。そちらもよろしければ見ていってください。それではまた!
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