永木三月のテイスティングログ: 「安い=まずい」なのか? タイ産鶏肉vs国産鶏肉

2015年5月21日木曜日

「安い=まずい」なのか? タイ産鶏肉vs国産鶏肉


こんにちは。テイスティング専門家の永木三月です。
突然ですが、みなさんは外国産の食品を購入する事はありますか?

私は自炊をしていることもあって、スーパーに立ち寄ることがよくあります。中国産の野菜などを始めとして、外国産は国産より安いものが多いです。よほど質の悪さが目に付く物でない限り、外国産の食材も選択肢に入ってきます。一方で、安すぎることへの不安をよく感じます。

今回のテーマは、最近よく目にするようになった、タイ産の鶏肉です。 
ちなみに現在ではマクドナルドでも使われています。中国産鶏肉の安全性に疑いが出てきた際、新たに輸入先として選ばれたのがタイだったんだそうです。(ソースはこちら

中国産の野菜同様、この鶏肉は非常に価格が安いです。元々鶏肉は他の肉に比べて安いですが、タイ産のものは国産の7割から半額で購入できてしまいます。

外国産の肉は、その安さがどこか不気味で、今までは敬遠していました。しかし国産のものもそれほどおいしいわけではありません。それなら食わず嫌いせず検証してみよう、というのが今回の企画です。



比較検証


生 

まずは生の状態で違いを見てみます。

1.国産鶏もも肉(東武ストアにて購入)
価格:100gで138円。


2.タイ産鶏もも肉(東武ストアにて購入)
価格:100gで68円。


値段はおよそ倍くらいの開きがあります。
見た目には、国産がべに色を基調としているのに対し、タイ産は明るい赤に寄っています。タイ産の方が色ムラがありますが、濃い所は国産よりも鮮やかです。
手で触った感触や匂いには、大きな違いはありません。


ソテーにしてみる



次に味比べです。 
今回は、塩こしょうをして焼くという単純な料理で比較をしてみたいと思います。 
フライパンにサラダ油をしき、鶏肉を入れてから弱火にかけ、じっくり焼いて行きます。


肉の真ん中辺りまで色が変わってきたら裏返して、全体の色がしっかり変わったら出来上がりです。皮目がこんがり焼けるのはもちろん、肉の表面の温度が高くなりすぎないので、肉全体にしっとりと火が入ります。 


それでは頂いてみます。

火の通り自体は、どちらも上々。皮はかりっと、中はしっとりと仕上がっています。特に下処理をしていないので、旨味自体は薄く、後味も今ひとつです。

ソテーされた鶏肉は、見た目に違いはありません。味わいにも意外と差を感じません。ブラインドで判断するのはかなり難しいくらいの小さな違いです。

おわりに

タイ産の鶏肉は国産に引けを取らないのでしょうか? 結論はそうと決まったわけではありません。

ソテーを食べて気づいたのは、焼くことで増す香ばしさと、焼く前に振る胡椒の香りで、鶏の臭みがかなり和らいでいるということです。また、ソテーという調理では、肉から出た余計な成分をキッチンペーパーで取り除くこともできます。

逆にこういう臭みが残りやすい調理法もあります。スープや煮込みなど、肉の成分が料理にとけ込んでしまう種類のものです。
一度、タイ産の鶏肉で煮込み料理を作った事があるのですが、その時の鶏肉の臭みは今でもよく覚えています。

味以外の点では、安全性などの問題が取り上げられてはいますが、ブラジルや中国に比べれば悪評は少ないように見えます。格別オススメはしませんが、下ごしらえや調理法に気をつけて食べるなら、ありかもしれません。

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