永木三月のテイスティングログ: 全国納豆巡り! 「おいしいもの味覚鑑賞会」第23回

2015年5月25日月曜日

全国納豆巡り! 「おいしいもの味覚鑑賞会」第23回



5/17(日)夜、シェアハウス浅草橋ブレッドボードにて、食べ比べをテーマにした会、おいしいもの味覚鑑賞会を開催しました。今回で22回目の開催になります。参加してくださった皆さま、どうもありがとうございました。
会を主催している永木三月です。

今回のテーマは「納豆」です。茨城や東北を中心に日本の美味しい納豆を揃えました。選りすぐりの8種の納豆のレビューを、会の模様と合わせてお届けします。



 〈目次〉 (★=格別美味、◯=次点。)


当日は、18時から鑑賞会を開始しました。

この記事は、会で実際に頂いたものを、レビュー形式でまとめたものになります。
評価はお勧め度の特に高いものを「★」で、次点を「◯」で印をつけています。ここでの評価は、永木三月個人の責任でつけております。以上の点をご了承ください。

レビュー 

 1.   タカノフーズ「おかめ納豆 極小粒1パック25円)



一品目は日本で一番有名な納豆「おかめ納豆」。茨城発のメーカーで、地元はもちろん、全国でトップのシェアを誇る納豆です。日本の標準を知るべく一品目に用意しました。

香り、味含め、明確な主張のない味です。小粒なのもあって、豆の食感もややつぶれがち。適度な甘みと苦みがあり、粗悪な品ではありません。

 

 2.   ミツカン「金のつぶ ほね元気」(1パック25円)




二品目はミツカン「金のつぶ ほね元気」
ミツカンと言えば、お酢のメーカーとして有名で納豆業界に参入したのは1998年のことだそうです。 現在では、おかめ納豆と並んで知名度の高い納豆と言えるでしょう。

の印象は、食感のみ。粒の形を感じる歯ごたえだけがあります。おかめ納豆も主張はありませんでしたが、こちらはそれ以上です豆の味がせず外皮だけを食べているような薄い味わいです。

「金のつぶ」のサイトを見てみると、使いやすいタレや、におわない納豆など、様々な路線を打ち出しているのがわかります。わかりやすい差別化戦略の結果、敢えて味を落としているのだとすれば、残念なことです。





三品目は、宮城県のグリーンパール納豆本舗「伊達藩 永太郎納豆」です。大正10年創業の老舗で、こちらの納豆は1987年に、贈答用として作られたグルメ納豆なんだそうです。
納豆の全国大会「全国納豆鑑評会」で会長賞を受賞した一品でもあります。 

この納豆の特徴は糸。ぷつりと切れる食感が口の中で感じられる糸です。また、混ぜることで粘りが強くなり、芯の通った太い味わいに変化します。

見てわかるように粒立ちも綺麗で、表面はつややかです。
普段食べているものをちょうど一段グレードアップしたような納豆で、味わいの端々にこれぞ本物という感触があります。



 ★4.   総本舗水戸納豆「雪あかり」(1パック267円 おかめ納豆10.5パック)



四品目は、総本舗水戸納豆の「雪あかり」。以前このブログでも紹介した事がある、白い納豆です。ミヤギシロメという大粒の大豆を使っており、こちらも「全国納豆鑑評会」での受賞歴があります。

見た目からわかるのは、非常に大粒で白い豆と、細く繊細な糸です。
やや豆の青さを感じさせる香りと、ふっくらと柔らかな食感が特徴的。納豆としては他に類を見ない、均整のとれた味わいです。濃密な豆の味わいを、じっくり味わいたい一品。




 ◯5.   天狗納豆「すずまる納豆」(1パック280円 おかめ納豆11パック分


 
五品目は、茨城の天狗納豆が出している「すずまる納豆」。
すずまるは、北海道産の小粒大豆だそうで、納豆に非常に向いた品種なんだそうです。

藁に包まれているため、豆にもその匂いがかなり移っていて、非常に香しいです。ちまきを食べる時の笹の香りに少し似ています。

豆がカラカラに乾いているのも他にはない特徴です。ものによっては、噛むとガリッと音を立てるほどで、非常にドライな納豆です。全体としては、ごつごつと無骨な味わいですが、納豆本来の深みは感じられます。


 ★6.   下仁田納豆「妙義山」(1パック150円 おかめ納豆6パック分)




六品目は群馬の下仁田納豆が出す「妙義山」
下仁田納豆は、昭和38年創業と比較的若い会社ですが、妙義山という名前通り、群馬県産の大豆を使って作られた一品。

やや潤いのある豆は、瑞々しくエネルギッシュな味わいです。粒立ちの良さとウェットな食感とで、がちゃがちゃと賑やかすぎるような印象もあります。「雪あかり」とは好対照な味わいであちらが人工的な味の整いを狙っていのに対し、こちらは野性味に根ざした味作りが際立っています。
 

 7.   舟納豆「青仁一粒」(1パック486円 おかめ納豆19.5個分)




品目は、 茨城の丸真食品が出す「青仁一粒」です。
うぐいすきな粉に使われる「青仁青豆」を使っているそうで、ほんのり黒ずんだ見た目と、大粒な豆が特徴的です。

香りは華やかで強、他と食らべても際立っています 味わいは、濃厚な苦み一辺倒やや下品です
他のトッピング、例えば濃口醤油を合わせてみると味のバランスとれます。おそらく豆自体は美味しいものでしょう。製品としての完成度の点で、もう一歩と評価します


 ★8.   高野山大福寺「大福寺納豆」(700円 おかめ納豆28パック分



最後の一品は、静岡の大福寺で作られている「大福寺納豆」。400年前から作られているこちらは、厳密には納豆ではありません。分類としては「浜納豆」ですが、納豆菌ではなく麹菌を使って発酵させています。 

非常に塩辛く、生ハム、チーズ、豆豉など、様々な珍味を思わせる味がします。伝統に根ざした深みが感じられ、お酒のつまみにぴったりな一品です。


 最後に:納豆テイスティング指南 

納豆をじっくり味わった経験を持つ人は少ないでしょう。 ぱっと手に入る納豆は「おかめ納豆」や「金のつぶ」といった、あまり美味しくないものですし、味付けも非常に濃いです。 

おいしい納豆が手に入ったら、まずは粒の形を見て、匂いを嗅いでみてください。 お酒やチーズほどの違いは感じづらいですが、少し醤油を思わせる香りがしたり、熟成した茶葉のような香りがしたり、案外バリエーションがあります。 

会では、「足の裏の匂い」という表現も飛び出しましたが、そういうネガティブな表現を使ってみるのも面白いと思います。

納豆を語るのに欠かせない糸も、ねっとりと水分を含んでいるものから、細い糸が豆にまとわっているだけのものまで、様々です。 

ちなみに糸の味わいで最も印象に残っているのは、グリーンパール納豆の「伊達藩 永太郎納豆」です。レビューでも書きましたが、ぷつんと切れるような食感があり、かき混ぜると若干のコシを感じるほどの食感になります。下仁田納豆と並んで、ご飯に乗せて食べたい納豆の1つです。 

 おいしい納豆はどこで買えるの? 

今回購入した納豆は、銀座一丁目『茨城マルシェ』、秋葉原『ちゃばら』などで入手しました。どちらも地方の物産を集めたセレクトショップです。
特に『茨城マルシェ』は、水戸の納豆が数多く揃っているので、オススメです。 

ちなみに「伊達藩 永太郎納豆」と「すずまる納豆」は、ネットを利用して取り寄せています。ブームが過ぎ去ったのか、おいしい納豆はあまり店頭で販売されていません。 

通販では買えるものも多いので、今回紹介した中で気になったものがあれば、ぜひ試してみてください! 
 

 次回の予定

 「おいしいもの味覚鑑賞会」は月に一度開催しています。 これを見て興味をもった方、今回は都合が合わなかった方、普段から食べるのが好きな方、いつもはコンビニで済ませてしまう方、どんな方でも大歓迎です。おいしいものを食べて、一緒に語らってみませんか? 

このサイトでは、美味しいレシピ、お店の紹介や食べ比べの実践など、「テイスティング」をテーマに記事をお届けしています。そちらもよろしければ見ていってください。それではまた!

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